コットンのやさしい気持ち

インド・コットン生産地 参加型ワークショップ&現地プロジェクト報告会(開催報告)

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2014年11月22日、ゼンセン会館(東京・市ヶ谷)にて、ACEがインドのコットン生産地で児童労働撤廃を目指して行っている「ピース・インド プロジェクト」の支援報告と、そこで見えてきた現実を踏まえて制作した参加型ワークショップを実施するイベント「わたし13歳、 コットン畑で働きつづけて ~参加型ワークショップ&現地プロジェクト報告~」を開催しました。他にもコットン生産地訪問ツアーに参加した方の報告や、たまたま来日していたインドのフェアトレード団体の方からメッセージをいただき、盛り沢山な内容となりました。

ノーベル平和賞受賞者カイラシュさんとACEの深~い関係

冒頭挨拶では、ACE代表の岩附より学生時代にACEを設立したきっかけについてご紹介させていただきました。ACEの設立は、ノーベル平和賞を受賞されたカイラシュ・サティヤルティさんが世界中に呼びかけた「児童労働に反対するグローバルマーチ」がきっかけでした。

「児童労働に反対するグローバルマーチ」は、児童労働の問題を世界中に訴えかけるムーブメントでしたが、1997年当時、参加する日本の団体がありませんでした。そのため、岩附と同じく当時学生だった現在の事務局長の白木を誘い、一緒に団体を立ち上げたのがACEの始まりです。実はACEとカイラシュさんには深いつながりがあったのです。

ACE設立のきっかけを紹介するACE代表の岩附

カイラシュさんとACE設立のきっかけについて話すACE代表の岩附

 

※ACEとカイラシュさんとの関係について詳しくはこちら
ノーベル平和賞受賞 カイラシュ・サティヤルティ氏について

 

参加型ワークショップ「コットンと児童労働」

ACEが制作しているインドのコットン生産地における児童労働をテーマにした参加型ワークショップを体験していただきました。身近に使われているコットン製品がどのような過程で消費者の手に届くのかを考えるパズルや、製造プロセスに関わる人々になりきり、その立場や状況について考えるロールプレイを通じて、児童労働について話し合いました。幅広い参加者の方々が積極的に参加してくださり、参加後は多くの方々が児童労働を自分ごと化してくださったようです。

コットン製品ができるまでのプロセスを並び替える「パズル」の様子

コットン製品ができるまでのプロセスを並び替える「パズル」の様子

 

コットン生産地での支援活動の報告

インドのコットン産業における児童労働の現状や背景、ACEの取り組み、解決に向けてできることについてACEインド・プロジェクトマネージャーの成田が紹介しました。児童労働が生まれる背景には需要と供給の要因があり、解決には生産現場でのプロジェクトや消費者行動の変革などその両方に働きかける必要があります。

インドのコットン生産地での支援活動を報告するACEスタッフの成田

インドのコットン生産地での支援活動を報告するACE インド・プロジェクトマネージャー成田

 

供給側の要因を解決するため、ACEはインドのコットン生産地域で児童労働をなくし子どもの教育と住民の自立を支援する「ピース・インド プロジェクト」を2010年から実施し、子どもの保護と就学支援、女の子の自立支援、おとなの収入向上などに取り組んでいます。このプロジェクトを通じて、子どもたちの人生が少しずつ変わり始めています。働くことで子ども時代できなかったことが少しずつできるようになり、将来の夢を持てるようになりました。

ある村では、プロジェクト終了時に「今後は自分たちで児童労働のない村にしていく!」と宣言してくれました。ACEは、政府など既存の制度やリソースを活用し、そこにいる人たちと一緒に協力し合いながら改善できる仕組みを作っています。「援助」ではなく「協力」することで、住民たちが当事者として自ら解決に取り組み、持続性を保つことができるのです。

 

コットン生産地の児童労働をなくすため私たちにできること

児童労働の需要側の問題を解決するためには、日本の消費者や企業に働きかける活動が必要です。私たちの消費活動を見直すことが、少しずつ児童労働の解決につながります。

「責任のある消費者になるために私たちにできること」の例
  1. 児童労働を知り、伝える
  2. 今あるものを大切に使う
  3. トレーサブルな製品や認証マークが付いた製品を選ぶ
  4. 現地での支援活動を支援する

みなさんで一緒に児童労働の課題解決に向かいましょう。

 

コットン生産地訪問ツアー参加者からの報告

スタディツアー参加報告をしてくださった竹村様

ツアー参加報告をしてくださった竹村様

ACEが2014年に企画した、インドのプロジェクト地などを訪問するツアーに参加された竹村様より、ツアーの写真を見せてもらいながら訪問報告をしていただきました。訪問で最も大きな学びは、子どもたちの笑顔だったそうです。

支援が終了した村を訪ねたとき、子どもたちが笑顔でワーっと寄って来て出迎えてくれました。その笑顔を見たことで、住民の生活が良くなっていることを子どもたち自身が実感しているからではないかと感じたられたからだそうです。竹村さんは帰国後、子どもたちのためにとACEのマンスリーサポーターになってくださり、意義のある支援を呼びかけてくださいました。

 

インドのNGO「タラ・プロジェクト」のムーンさんよりメッセージ

最後に、たまたまインドから来日していたインドのフェアトレード団体「タラ・プロジェクト」の代表ムーンさんよりイベントの感想と、メッセージをいただきました。

ACEや参加者のみなさんは、大変素晴らしいことをされています。ACEとタラは児童労働に対して立ち向かうという共通のゴールを持って一緒に活動しています。本日のようなイベントを開いたり、児童労働の慣習を変えようとされています。小さなことでもみなさんが責任のある消費者になることで児童労働を終わらせることができます。今日は日本の人々が何をしているのか知ることができ、とても刺激を受けました。ありがとう。

お話してくださったインドのフェアトレード団体「タラ」のムーンさん

メッセージをくださったインドのフェアトレード団体「タラ・プロジェクト」のムーンさん

 

参加者の感想

参加者からのアンケートより、下記のような感想をいただきました。(一部抜粋)

児童労働をなくすために出来ると思ったこと
  • まずは興味・関心を持つこと、自分以外の人のことに思いを馳せること(教員、女性)
  • 周囲の人々に伝え続けること(会社員、女性)
  • なぜ安いのか?を考える(フリーランス、男性)
  • 繊維製造・販売会社の社長層を啓蒙していく(会社員、男性)
  • 「子どもの声」を大人の間で伝えること(女性)
印象に残ったこと
  • 労働者から消費者まで全段階から児童労働について考えることが出来たのが新鮮だった(会社員、男性)
  • 児童労働がなくなり、学校に通えるようになった子どもたちの笑顔が印象的だった
  • 児童労働をなくすためには、原産国、製造国、消費国すべてが現状を変えていかなければならないという事

日本各地から集まった幅広い年代の方々から多くの意見が寄せられ、充実したイベントになりました。

報告:インターン 市川明里

インドの子どもたちを笑顔にするために
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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2014.12.17