コットンのやさしい気持ち

「児童労働がなくなった村」への訪問が村人の刺激に

Pocket
LINEで送る

こんにちは、ACE国際協力事業インド担当の成田です。2013年7月、コットン生産地で子どもを労働から守り、教育を支援する「ピース・インド プロジェクト」を実施している村に来ています。

2010年に支援を始めたこの村では、児童労働がなくなり就学年齢のすべての子どもが継続的に学校へ通えるよう、村の子どもや住民たちが取り組んでいます。支援をはじめて4年目を迎えた2013年6月、プロジェクトの活動の一環で、住民が他の地域の「児童労働のない村」を訪問する視察ツアーが行われました。

ツアーに参加した住民の話を聞くと、なんだかとても感動し、ワクワクした気持ちをみなさんにお伝えしたく、ご報告させていただきます。

住民の視察ツアー実施の背景

児童労働をなくすための住民たちの活動は、新しいことばかりで試行錯誤の連続です。

「児童労働のない村ってどんな村?実現できるの?」
「自分たちの活動は合っているの?どうしたらもっと良くなるの?」

そんな疑問を少しでも解決し「自分たちにもできる!」と自信を持ってもらうため、視察ツアーを実施しました。

視察ツアー出発

総勢33人で「児童労働のない村視察ツアー」に出発!視察ツアーには、農民や青年、女性、子どもなど33人が参加しました。訪問先は、同じアンドラ・プラデーシュ州で児童労働の撤廃に取り組むインドのNGO、MVFの活動地で、住民たちの力で児童労働がなくなった3つの村です。

車で約5時間、1泊2日のツアーにいよいよ出発。初めてのグループツアーで、住民たちは緊張気味でした。

訪問先で住民同士で活動を説明し合って交流

村に到着したツアー一行は、集会所でMVFのスタッフから、村での活動についてオリエンテーションを受けました。訪問した村の住民は親切に受け入れてくれ、集会をして活動する前の村の問題や、住民が取り組んだ活動などの説明を受けました。

受入れ団体MVFスタッフからのオリエンテーション受入れ団体MVFのスタッフからのオリエンテーション
オリエンテーションを受ける視察ツアー参加者オリエンテーションを受ける視察ツアー参加者たち
訪問先の住民が村や活動について説明訪問先の住民が村や活動について説明
真剣に話を聞く村の参加者真剣に話を聞く村の参加者

住民からの説明の他にも、農民や青年による住民グループ、女性グループ、子どもグループ、女の子のグループに分かれて、それぞれの村での活動について説明し合い、意見交換をしました。

農民や青年グループのミーティング農民や青年による住民グループのミーティング
女性グループのミーティング風景女性グループのミーティング
子どもグループのミーティング風景子どもグループのミーティング風景
女の子グループのミーティングの様子女の子グループのミーティングの様子

1日目の終わりには、寝る間を惜しんで訪問先で学んだことを共有して振返り、自分たちの村との違いや共通点、活動の改善点などを夜遅くまで話し合いました。

 

村で聞いたことや学んだことが大きな刺激に

ツアーの参加メンバーにどんなことを学んだのか尋ねると、たくさん話してくれました。

  • 「村は奥地にあって開発が遅れた地域だけど、住民が行政制度を学んで学校の教室やトイレ施設、集会所などを建設して、自分たちで村を発展させていた」
  • 「自分たちのお金と労働力を出し合って小学校の通学路を作ったこと」
  • 「目が見えない子どものために、住民がお金を集めて手術治療費を出した。その子は目が見えるようになって勉強ができるようになった。住民がその子に目を与えたんだ」
  • 「住民が一体となって、子どもたちのために協力しあっている」
  • 「私たちが来るのを大人数で待っててくれて、丁寧に受けいれてくれた」
  • 「ミーティングの仕方や話し方が立派だった」

など、訪問先の活動だけでなく、住民の受け入れる姿勢やミーティングの仕方、協力し合う姿にも感銘を受けていたことが分かりました。

学んだことを活かして、今度の実践に

自分たちと同じように村の改善に取り組む住民と出会い、共感し、励ましや自信を得たようです。

  • 「自分たちと同じような活動をしていて安心した」
  • 「自分たちもあんな風に協力し合える村にしたい」
  • 「住民グループの活動をもっと活発にしたい」
  • 「ミーティングはもっと参加者を増やしてきちんと話し合えるようにしたい」
  • 「次は受入れてくれた村の人をこの村にも呼んで村をみてもらいたい」

ツアー中は寝る間も惜しんで振り返りミーティングを行いました児童労働のない村を見ることで、自分たちの目指す状態を描いたり、自分たち活動の課題や改善点などを確認できたことが伺えました。

ツアーから帰ったあと、参加者は各グループで学んだこと・感じたことを共有し、話し合ったそうです。住民グループは、担当者を決めて毎日学校を訪問し出席簿を確認したり、幼稚園も訪問して子どもたちの出席状況を確認するなど、すぐに実践していることが分かりました。

 

参加した住民の口から、視察ツアーでの学びや経験を通して、今後自分たちはこうしていきたいという「強い意志のある声」を聞くことができました。さらに、すぐに行動に移していることを知り、とてもうれしい気持ちになりました。しかし、まだツアーで学んだことを参加できなかった住民への共有や、活動の改善のためには十分でないこともあるようです。今後、この経験をどう活動に活かせるか、住民と一緒に考えながら進めていく予定です。

報告:国際協力事業担当 成田 由香子

 

ぜひ一緒に「児童労働のない村」の実現にご協力よろしくお願いします!

インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

コットン募金

  • Pocket
    LINEで送る

  • カテゴリー:子ども・若者支援
  • 投稿日:2013.07.07