【インド便り】インドでのコロナ緊急支援の様子をお伝えします
こんにちは。インド担当スタッフ田柳です。いつもACEの活動を応援してくださりありがとうございます。
私たちはインドのコットン生産地で子どもを労働から守り教育を支援する「ピース・インド プロジェクト」をパートナーシップを結ぶSPEEDというインドのNGOと共に行っています。ACEの日本スタッフがインドに行けない状態の現在もSPEEDのスタッフが日々、現地で活動を行っています。
今日は、そのSPEEDの現地スタッフから送られてきた、インドの緊急支援活動の様子をお伝えします。
増え続ける感染者数、政府からの支援を受けられない人々
インドの新型コロナウイルス感染者数は8月17日現在で264万人を超え、亡くなった方の数は5万人を上回りました。感染は地方の村などにも広がり、心配な状況が続いています。
テランガナ州の農村部にあるACEの活動地も影響を受け、3月のロックダウン直後から日雇い労働者や貧困層を中心に、
政府が米や給付金の支給を実施しましたが十分でなく、また、支援を受けるためには身分証明書や銀行口座が必要となり、貧困層の中にはそれらの条件を満たすことができない、支援を受けられることを知らないなどの理由から支援を受けられない人々もいました。
月1度の食料セット配布を開始
「ピース・インド プロジェクト」では、政府からの支援を受けられなかった人々や、家族の人数などから支援物資が足りなかった家族53世帯を特定し、月に1度の食料セットの配布支援を開始しました。
米、油、レンティル豆、タマリンド、チリパウダー、ターメリック、塩、玉ねぎ、にんにくなどの毎日のカレーを作るのに必要な食料を配布しています。
食料セットを受け取った家族の1つは、今回の感染拡大の影響で両親は日雇いの職を失い、2人の子どもを含む家族4人の食事を用意することにも苦労していました。そんな家族から「食べるものが確保できて本当にほっとした」という声が聞こえています。
子どもたちにとっても苦しい状況
村の学校は3月のロックダウン開始以降休校が続き、学校再開は延期が繰り返され、いつになったら学校にまた通えるのか見通しは立っていません。見回り活動で防ぐようにしているものの、学校に行くことができない子どもの中には親と共に農作業を行い始め、学校が再開しても経済状況などから学校に戻らなくなることが心配される子どももいます。
プロジェクトで運営するブリッジスクール(公立学校へ編入するための学力や習慣を身につける補習学校)を再開することも、子どもたちを集めての活動をすることも感染予防の観点から行政に認められず、現地スタッフは個別に子どもたちを訪問して様子を確認したり勉強のサポートを行っています。ですが、子どもたちは学校やブリッジスクールで他の子どもと一緒に勉強したり、友達同士で会ったり遊んだりすることを望んでいます。
「ブリッジスクールをどうにか再開できないか」という声が子どもたちや親から多くあり、現地スタッフたちももどかしさを感じています。
5月初旬ロックダウン下で実施した村の子どもへのインタビューの様子
状況に合わせ出来る限りの支援を、これからも
今年の3月以降は日本からスタッフがインドを訪れることが叶わず、また、4月にスタートを予定していた「義務教育年齢を過ぎた女子向けの職業訓練」も開始を延期するなど、計画通りにできていないことが多くあります。ですが、子どもたちが取り巻く状況も計画時とは変わってしまっているため、今、子どもたちやその親が必要としていることは何なのか、SPEEDスタッフや地域の人々と連携して現地の状況や課題を特定しながら活動を検討・実施していきます。プロジェクトの実施方法も変えていくことが必要だと感じているため、思考錯誤しながら新たな方法を見つけていきたいと思います。
このような不安定な時期だからこそ、すでに深刻な状況に置かれていた人々が、これ以上取り残されることがないように、今後も出来る限りの活動を行っていきます。
引き続きの応援をどうぞよろしくお願いいたします。
インド・プロジェクトマネージャー 田柳優子
インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!
- カテゴリー:お知らせ
- 投稿日:2020.08.19