子どもを支援している方々への研修プログラムを開発中です

子どもを支援している方々への研修プログラムを開発中です

Pocket
LINEで送る

子どもたちに日々かかわっておられる方々に、子どもの権利についてより理解を深めてもらおうと研修プログラムを開発しています。2022年4月から10月までに計6回の研修会を開催し、15団体にヒアリングを行い、研修プログラムの概要を12月に開催される子どもの権利条約フォーラムin那覇/沖縄で発表します。

全国で子ども食堂や子どもの居場所が増えています

子どもの貧困への支援策として子ども食堂、子どもの居場所、学習支援などが全国で広まっています。2016年には319か所だった子ども食堂が、2021年には6000か所以上あると報告されています。その多くが地域の人たちの善意によって、地域のニーズに応じてさまざまな形で運営されています。

重要なのは、子どもたちが安全・安心に過ごせる場であることです。そのためには、子どもの権利についての理解が役立ちます。しかし、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさんが実施した調査では、国連子どもの権利条約ついて約4割のおとなは「聞いたことがない」と答え、「内容までよく知っている」と答えた学校の先生は約5人に1人でした。子どもたちとのかかわりが普段あまりない人たちの間では、この数字はもっと低いかもしれません。おとなが子どもの権利について知る機会が、少ないのだろうと考えられます。

子どもの権利についてもっと知ってもらおう

子ども食堂や子どもの居場所が増えている一方で、子どもの権利は広く普及していないという現状があります。そこで、子どもたちにかかわっている人たちに、子どもの権利について知ってもらおうという想いから、研修プログラムをつくることになりました。

2022年1月から、大和証券グループ未来応援ボンド こども支援団体サステナブル基金から助成していただいて、以前から連携している沖縄青少年自立援助センターちゅらゆいさんと一緒に活動を開始しました。沖縄県では、4人に1人の子どもが貧困状態にあり、子ども食堂が急増しています。子ども食堂がある小学校区の割合は全国で最も高く48%となっています。

研修会を開催しました

「子どもと若者のセーフガーディング最低基準のためのガイド」表紙

「子どもと若者のセーフガーディング入門」(4月12日@オンライン)

国際協力を行っているNGOが中心となって、「子どもと若者のセーフガーディング最低基準のためのガイド」を2020年に作成しました。そのメンバーだったACEの成田由香子から、セーフガーディングの考え方や取り組み方を紹介し、各団体でポリシーやガイドラインを作成する際に参考となるようなリスク分析のワークショップも行いました。

【参考】
「ACE子どもと若者のセーフガーディング・ポリシー」および「ACE子どもと若者のセーフガーディングに関する行動規範」(付属文書)

 

「~非暴力コミュニケーション(NVC)から学ぶ~自分も相手も尊重する関係性を築く」(6月21日@東京、7月5日@沖縄、9月12日@オンライン)

子どもとうまくコミュニケーションをとるのは難しい、つい強い口調で子どもに言ってしまうことがある、などという経験をもつ人は多いかと思います。その背景には、何があるでしょうか?自分自身と相手の「心の声」に耳を傾け、ニーズや願いをカードを使って探りながら、共感コミュニケーションの方法について、渋谷聡子さんから学びました。

「~こども基本法の成立を受けて~知っておきたい!子どもの権利条約」 (7月19日@オンライン)

「子どもの権利についてきちんと知りたい」「もう一度おさらいしておきたい」などのお声にお応えして、浦和大学の林大介さんに講師をお願いしました。子どもの権利条約がどのようにつくられ、何が書かれているのか、など基本的な理解を深め、子どもの権利条約の内容を地域で実践していくにあたってのヒントを探しました。

【参考】
広げよう!子どもの権利条約キャンペーン

「人権をベースにした子どもを守るための予防教育~CAP(キャップ)プログラム~」(10月6日@オンライン)

CAPプログラムは、「エンパワメント」「人権意識」「コミュニティ」の3つの柱をベースに、子どもへのあらゆる暴力を許さない、子どもが自分の大切さを実感できる社会づくりをめざして、全国各地で子どもやおとなに実施されています。NPO法人CAPセンター・JAPANの重松和枝さんと長谷有美子さんから、CAPプログラムや子どもの権利を尊重した対応について学びました。

「子どもアドボカシー」について、私たちも学びました(2月19日~3月6日、計6回)

一般社団法人子どもの声からはじめようさんが開催している「子どもアドボカシー講座<基礎>」をACEとちゅらゆいさんの12名が受講しました。

子どもの声に耳を傾け、意見表明をサポートする子どもアドボカシーの基礎(子どもの権利、社会的養護と訪問アドボカシーなど)、子どもアドボカシーの信念と原則、会議支援(個別アドボカシー)などについて学び、児童養護施設などで子どもアドボカシーを経験した若者のお話も聞くことができました。オンラインでの研修に加えて、事前に動画を視聴して課題を提出する必要があり、ハードな6週間でしたが、おとなが自分の背景や経験から意見を押し付けるのではなく、子どもの声を受け止め、子どもに情報を提供し、子どものニーズや願いにこたえられるようにサポートできるようにするための心構えや方法などを学びました。

研修プログラムについて発表します

子どもの権利条約フォーラム第30回記念大会 子どもの権利条約フォーラムin那覇/沖縄が、2022年12月10~11日に開催されます。ACEとちゅらゆいさんは、分科会「子どもの権利を守る居場所とは?」を共催し、研修参加者へのアンケートや子ども支援団体へのヒアリングの結果を踏まえて、子どもの権利を広めるための研修プログラム開発のために行ってきたこと、感じたことを共有しながら、研修プログラムの概要を発表するとともに、研修の一部を体験していただきます。

沖縄の本土復帰50周年という節目の年に、沖縄で初めて開催される子どもの権利条約フォーラムで、全国から現地で、オンラインで参加されるみなさまとお会いできることを楽しみにしています。子どもの権利についての研修プログラムの発表を楽しみにしていてください。これからも、みなさまのご支援・ご協力をよろしくお願いします!

  • Pocket
    LINEで送る

  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2022.11.10