村人が自分たちの力で校舎の壁を建設
小学4年生に通う、12歳のパトリシアちゃん(仮名)は6人兄弟の2番目です。2009年に村の小学校に入学しました。
その前は車で1時間半ほど離れた別の村におばあさんと一緒に暮らしていました。学校には通っていませんでした。村の学校が少しずつよくなっていることを知って、家族の元に戻り、学校に通うようになりました。「英語を学ぶことが好き。学校に通えるようになってうれしい」と話しながら、自分が持っているノートや教科書を見せてくれました。
1年間の活動で少しずつ村に変化が
ガーナの田舎では、パトリシアちゃんのように親戚にあずけられて暮らす子どもたちもたくさんいます。子どもが多くて育てるのが大変だからとか、村の学校の質がよくないので、よりよい教育を受けさせるために、などが主な理由です。しかし村では、この1年間で学校が変わってきたことにより、預けられていた子どもたちも村に戻ってくるようになりました。
学校環境を改善するため村人がボランティア参加
学校の環境で大きく変わったことは、校舎に壁ができたことです。雨期になると教室に雨や泥が流れてくることが長年問題となっていたため、村の集会やPTAの会議で話し合いを続けてきた結果、村の住民でお金を集めて壁を作ることになりました。
材料となるセメントは郡議会に何度も交渉をして、提供してもらえることになりました。壁の建設には村人たちがボランティアで参加し、2009年の12月にようやく完成しました。自分たちで力をあわせて学校の壁を完成させたことは、村の人たちにとって大きな自信にもなりました。
学校環境の改善は学校に通うモチベーションにも直結
学校の質が低ければ、親も教育に関心を示しません。教育に関心がなければ、子どもに学用品や制服を買い与えることはありません。もちろん、学校の環境改善にも親は協力しないし、学ぶ環境が整わなければ子どもたちも学ぶ意欲を持たないという悪循環に陥ります。
ですが、学校がよくなれば親や子どもも学校に関心を持ち始めるし、子どもに学用品や制服も買い与えるようになります。ノートやペンを持ってしっかりと学ぶようになれば、子どもたちは勉強に関心を持ち、学力も身につくようになるという好循環が生まれます。今はようやくその循環が回り始めたところです。
学校に壁はできましたが、トイレや井戸がないなど、まだまだちゃんと環境が整ったとはいえません。これからの2年で学校をもっと魅力的な場所に変えていくために、子どもたちに「夢の学校」を絵に描いてもらいました。子どもたちの夢に近づけるよう、みなさんもぜひ応援してください!
報告:事務局長 白木 朋子
世界の子どもの笑顔のため、世界を変える小さな一歩を。
- カテゴリー:子ども・若者支援
- 投稿日:2010.02.03