幸せへのチョコレート

「しあわせへのチョコレート」プロジェクトとは

チョコレートを食べる人と作る人、みんなが一緒にしあわせになれるように、カカオ生産地の子どもたちを児童労働から守り、日本の企業や消費者と協力して、児童労働のないチョコレートがあたりまえに手に入る社会の実現を目指した活動です。

「しあわせへのチョコレート」プロジェクトの背景

カカオの実を一ヶ所にあつめ、ナタで中身を取り出す作業日本は年間約28万トンのチョコレートを消費する世界第3位のチョコレート消費国です。そのチョコレートに欠かせないのがカカオ豆。世界で取引される約480万トンのカカオ豆のうち、7割以上が西アフリカで生産されています(2017年、チョコレート・ココア協会)。西アフリカのカカオ生産地域では、18歳未満の子どもが義務教育を受けられず、危険な労働を余儀なくされる児童労働が問題となっています。その数は、世界第1位と第2位のカカオ生産国であるコートジボワールとガーナだけでも156万人に上ると言われ、このうちコートジボワールは79万人、ガーナは77万人です(2020年、シカゴ大学)。

日本に輸入されるカカオ豆の約7割はガーナ産です。

ガーナでカカオを作る生産者や、日本でチョコレートを食べる消費者、チョコレートでビジネスを行う企業をつなぐことで、カカオ生産地での児童労働をなくし、すべての子どもが質のよい教育を受けること、おとなも安全な環境で働き生活を向上し自立していけること、チョコレートに関わるすべての人たちがハッピーになれる循環を実現することを目指し、ACEは2009年に「しあわせへのチョコレート」プロジェクトを開始しました。

ガーナのカカオ生産地における問題点

ガーナ・カカオ農園での児童労働

チョコレートの原料カカオは、赤道近くの高温多湿な地域で栽培されます。日本がカカオ豆の約7割を輸入するガーナでは、農薬の使用や森の伐採などにより自然環境が破壊されたり、子どもたちが学校に行けずに危険な労働を行っていたり、さまざまな問題が起きています。

カカオ農園での子どもの危険労働

刃渡りの大きななたを使って素手でカカオの実を割ったり草を刈ったりする作業、自分の力だけで持ち上げることができないほどの重さのカカオ豆や収穫した食糧作物を頭に載せて運ぶ作業などは、子どもによる危険労働の一例です。子どもの健全な成長の妨げとなります。

カカオ畑での収穫風景

学校に通えない子どもたち

カカオを生産する農村地域では、校舎や教室、机、いすなどの学習環境が整っていません。先生の数も不足しています。教室の数が足りないため外で勉強していたり、村に中学校がないため進学ができない子どもたちもいます。ガーナでは幼稚園から中学校までが義務教育で無償ですが、制服や学用品などをそろえることが経済的負担となる家庭は、子どもを学校に通わせることができません。教育を受ける機会を失うと、基本的な読み書き計算のスキルを身につけることができず、生涯にわたってさまざまな可能性や選択肢を狭められてしまいます。

学校では教室が足りず屋外で授業を受けている生徒も

ガーナのカカオ生産地域の児童労働

 

ガーナでの活動「スマイル・ガーナ プロジェクト」

ガーナのカカオ生産地域の子どもたち

ACEは、カカオ生産地の子どもを危険な児童労働から保護し、就学を徹底することを目的とした支援活動「スマイル・ガーナ プロジェクト」を行なっています。カカオ農家が継続して子どもの教育に投資ができるように農園経営を改善し、収入と生活を向上させることで、児童労働の撤廃と予防を目指しています。

2009年2月からガーナのアシャンティ州とアハフォ州の10村で活動を行い、2022年までに、595人の子どもたちを児童労働から守り、学校へ通えるよう支援してきました。

カカオ生産地支援「スマイル・ガーナ プロジェクト」

 

「児童労働のない」チョコレートをあたりまえに

森永製菓「1チョコfor1スマイル」ガーナの子どもたち

日本でチョコレートを食べるわたしたちだけでなく、カカオの国の子どもたちもハッピーにしたい…。そんな想いを込めて、ガーナでの活動を支える日本の消費者や企業の参加を呼び掛けてきました。

2009年から2017年までは、売上の一部が「スマイル・ガーナ プロジェクト」への寄付になる商品として「しあわせを運ぶ てんとう虫チョコ」を販売し、多くの方々のご支援により、累計で1,400万円をガーナの活動に活用することができました。

2011年以降は、森永製菓の「1チョコfor 1スマイル」キャンペーンや、フェリシモのLOVE&THANKS基金など、企業やお客様からのご支援をいただきながら、ガーナでの活動を拡大してきました。

2013年以降は、ガーナの活動地域で生産されたカカオを、商社を通じて日本に輸入し、企業へ供給することで、企業と連携して「児童労働のない」チョコレートの流通と市場の拡大にも取り組んできました。

2014年には森永製菓との連携により、日本の大手製菓メーカーとして初となる、国際フェアトレード認証つきのチョコレートを実現しました。2016年には活動地域で生産されたカカオ豆の日本への輸入が実現し、日本を代表するショコラティエやBean to Barのチョコレートブランドなどでもカカオ豆が扱われるようになりました。今では、ガーナのACE支援地で採れた「児童労働のない」カカオ豆を使ったチョコレートは日本各地の70社以上、200アイテムを超えるまでに広がりました(2023年1月時点)。

ガーナの子どもたちの支援になるチョコレートを買おう!

 

コミュニティでの経験をグローバルに発信!国の制度に活かす

2009年にガーナで活動を始めてから、10村で595人の子どもたちを児童労働から守り、約4500人の子どもたちの教育環境の改善を実現することができました。

カカオ産業の児童労働に関する国際会議等に参加して、コミュニティでの活動経験や学びをグローバルレベルで発信、共有し、国際社会や各国政府、活動国の自治体への提言も行っています。

2017年からは、コートジボワール、ガーナ政府や米国労働省、世界カカオ財団(チョコレート業界代表)によって構成される「カカオ産業の児童労働撤廃に向けた調整グループ(CLCCG)」の年次会合やステークホルダー会合(招待制)にも、アジアや日本から唯一のNGOとして参加しています。カカオ、チョコレートに関する国際的な業界団体である「世界カカオ財団(WCF)」のパートナーシップにも積極的に参加しています。

2018年の秋からは、ガーナ雇用労働省(MELR)やガーナ農業労働者組合(GAWU)などとの協働で、「チャイルドレイバー・フリー・ゾーン(児童労働のない地域)」を認定する国の制度作りに取り組んでいます。これは、ガーナ政府が掲げる「児童労働撤廃に向けた国家計画(2017-2021年)」の一部として実施しています。これまでわたしたちが各村で実施してきた「スマイル・ガーナ プロジェクト」のモデルを、「児童労働のない地域」を作るための国のガイドラインに組み込むことにより、カカオ生産地域以外を含む国全体で、児童労働をなくしていく動きを大きく後押しすることができます。

また、2019年4月からはJICA(国際協力機構)と連携し、企業を含む様々なステークホルダー(関係者)が協力して、カカオのサステナビリティの問題への取り組みを促進するためのプラットフォームづくりについて構想を練ってきました。その結果、2020年1月にJICA主導により「サステイナブル・カカオ・プラットフォーム」が立ち上がりました。ACEもメンバーとして活動に参画していきます。

これらの活動は、個人、学校・団体、企業などのみなさまからのご寄付により支えられています。ぜひACEの「しあわせへのチョコレート」プロジェクトを応援してください!温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします!

カカオを作る人たちもチョコレートを食べる人たちもみんなが笑顔になれるよう
応援よろしくお願いします!

※プロジェクト紹介リーフレットのダウンロードはこちらから
しあわせへのチョコレートプロジェクト(PDF)

ガーナの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

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