幸せへのチョコレート

親を看病するため働いていたシンディちゃん(ガーナ)

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シンディちゃん(仮名/16歳)は、お母さんが病気になり、一時学校をやめて看病をしていました。お母さんの代わりに親戚の家事を手伝ったり、農作業を手伝ったりすることもありました。つまり、お母さんが病気になったため、働かざるを得なくなったのです。(*義務教育年齢にも関わらず学校に行かず家の家事をすることも児童労働になります)

シンディちゃん

シンディちゃん(16歳)

 

親の看病をするために学校へ通えない子どもたち

ガーナのカカオ生産地域では、シンディちゃんのように親が病気になり、親の看病や畑仕事をするために学校をやめて働く子どもが少なくありません。親を亡くし、親戚の家に身を寄せる子もいました。彼らの世話をする親戚も決して豊かではないため、実の子でない子どもを学校へ通わせるのは難しいのが状況です。

 

ボランティアによる説得や学用品の支給を通じて再び学校に

親が病気のため学校へ通えなかったシンディちゃんが住んでいる村では、2011年からACEによる支援が始まり、村に「子ども保護委員会」というボランティアグループが組織されました。

ボランティアの人たちは村を回り、学校に行っていない子どもの親を説得するようになりました。シンディちゃんとお母さんの状況を親戚から聞いたボランティアたちは、再び学校へ通える方法を考え、学用品を支給することにしました。その結果、シンディちゃんは再び学校に行き始めるようになりました。

ガーナ「子ども保護委員会」

「子ども保護委員会」として活動する村のボランティアたち

 

シンディちゃんは少しでも健康についての知識を広め、病気で苦しむ人を少なくしたいと思っています。そして、将来は看護師になって、お母さんのような人を一人でも助けたいという夢を持っています。

 

課題は「健康に対する意識の欠如」

最大の問題は、農村に住む人々が健康や医療についての情報を十分に持っていないことです。それは医療事情がとても悪いことにも原因があります。町から遠く離れたカカオ生産地域の周囲には病院がないため、病気になってもすぐに治療や手当てを受けられず、亡くなってしまうケースも珍しくありません。健康に対する意識の欠如や医療事情の悪さが、子どもが学校に行かずに働いてしまうことにつながっているのです。

子どもたちを児童労働から守るため、今は村を巡回する際、子どもの就学の大切や労働の危険性を伝えるだけでなく、健康についてのアドバイスや、国民皆保険への加入を促す活動などもしています。おとなの健康状態と子どもの就学状況は、実は切っても切れない関係にあるのです。

報告:ACE ガーナ・プロジェクト マネージャー 近藤光

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  • カテゴリー:子どものエピソード
  • 投稿日:2015.02.17