【開催報告】6/12 児童労働と子どもの権利~児童労働反対世界デーは、ACEと一緒に未来へのアクションを! ~

【開催報告】6/12 児童労働と子どもの権利~児童労働反対世界デーは、ACEと一緒に未来へのアクションを! ~

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6月12日の児童労働反対世界デーに合わせ、2023年6月12日の夜にオンラインイベント「児童労働と子どもの権利~児童労働反対世界デーは、ACEと一緒に未来へのアクションを! ~」を開催しました。総勢222名からのお申込みがあり、リアルタイムでは123名の方にご参加いただきました。

今回のイベントのテーマは「『児童労働』と『子どもの権利』を 知って、知らせて、アクションしよう!」。一人でも多くの人が児童労働問題について知り、知ったことを周りの人に知らせ、さらに一歩アクションを踏み出せるよう、児童労働問題やACEの活動についてのほか、児童労働撤廃のためにできるアクションをご紹介しました。

児童労働とは、世界と日本の現状

始めに、世界と日本の児童労働の現状についてお伝えしました。世界の子どもの10人に1人が児童労働をしていること、アフリカでの状況が深刻なこと、私たちの身近な商品の裏側にも児童労働が存在している可能性があること、「日本の児童労働」の具体例、そしてこういった課題に対してACEが行っている活動などについて、簡単にご説明しました。

児童労働問題について人に伝えるときのポイントを、「3つのキーワード」にまとめてみました。ぜひみなさんも、この3つのキーワードを覚えて、周りの人に伝えてください!

  • 10人に1人​:世界では10人に1人の子どもが児童労働をしている​
  • 3K​:児童労働は教育(Kyoiku)や健康(Kenko)を妨げる危険(Kiken)な労働​
  • 「世界のどこか」でなく「今、ここ」​:児童労働は私たちの生活と密接につながっている

児童労働について、詳しくはこちら: 児童労働入門講座

 

ガーナのカカオ生産地での活動紹介

ガーナのカカオ生産地では、ナタ(刃物)を使った危険な作業や、農薬を使う作業、収穫したカカオポッド(カカオのさや)を長距離運ぶ重労働などの児童労働が起きています。そのような児童労働をなくし、カカオ生産や生活の向上、地域の安定を通じて、子どもの教育と権利を守るための「スマイル・ガーナ プロジェクト」を実施しています。プロジェクトについて、ガーナ プロジェクトマネージャーの赤堀友希よりお話させていただきました。

プロジェクトの概要説明のあと、昨年2022年8月にプロジェクトでの支援が完了した村で見られた成果についてご報告しました。その中で、プロジェクト実施前は50%以下だった学校の出席率が100%になったことや、子どもたちが「子どもの権利」を知ったことで、親や教員などのおとなに対しても自分の意見や要望を言えるようになったことなどをご紹介しました。

2022年9月からは新たに2つの村での支援を開始しています。どちらの村でも、児童労働をしている子どもが5~18%存在するほか、学校の教員や教室が不足しているなどの課題があります。これらの村でも「児童労働ゼロ」を実現するため、現地のパートナー団体や地域のおとなたちと協力しながら活動を進めていきます。

ガーナでのプロジェクトについては、2023年5月26日に開催したオンラインイベントでも詳しくご報告しています。イベントのアーカイブ動画も公開していますので、以下URLからぜひご覧ください。

【開催報告】第16回ACE交流サロン「カカオ生産地と日本企業の変化~ガーナからの声も届けます~」

 

インドのコットン生産地での活動紹介

コットン生産地でも多くの子どもが働いています。インドのコットン種子栽培が盛んな州において​、児童労働者は35万人以上存在し、うち約15万人が14歳以下、全体の6~7割が女の子と言われています。​ACEはコットン生産地の児童労働をなくすために「ピース・インド プロジェクト」を実施しています。

イベントでは、インド プロジェクトマネージャーの森瑞貴が、インドのプロジェクト地を訪れているACE代表の岩附由香とオンラインでつないで、学校の様子を紹介したり、子どもたち・おとなたちの声を聞きました。

「職業訓練センターに行くようになって友達ができた」

インタビューをした2人の子どものうち16歳の女の子は、基礎的な学力や縫製の技術を身に着けるべく、プロジェクトで運営している職業訓練センターに通っています。

「朝から夜まで働いていたころは友達もいなかったが、今は友達ができた」
「将来は自分で(仕立て屋さんの)お店を出したいと思っている」
「働いていたころは意見を言うことはできなかったけど、今は職業訓練センターに行ったり友達と遊んだり、両親に話したいことが増えたし、友達にも親にも意見を言ったり話したりしている」
と答えてくれました。

子どもたちのほか、子どもたちの親、現地で見回り活動を行っている住民ボランティアメンバーなどもインタビューに応えてくれました。

掛け算の問題を解く男の子

ボランティアメンバーの男性

職業訓練センターの様子

途中映像や音声が乱れてしまった部分もありましたが、元気な笑顔を見せてくれた子どもたちの様子に私たちも元気をもらうことができました。

 

子どもの権利と児童労働

第二部では子どもの権利と児童労働について、ACEが事務局を務める「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」で事務局業務を担当している成田由香子よりご説明しました。

子どもの権利というのは、すべての子どもたちが、健やかに、自分らしく育つために必要な「当たり前のこと」です。命が守られ健康に育ち、学校に行ったり、友達と遊んだり休んだりするという「当たり前のこと」が、児童労働によって奪われてしまっています。

また、児童労働の多いガーナやインドだけではなく、日本でも子どもの権利が守られているとは言えません。日本の子どもの精神的な「幸福度」は先進国でワースト2位(38か国中37番目)、1日に2人の子どもが自死している、虐待の相談件数・いじめの認知件数が年々増えていることなど、子どもの権利に関して多くの課題が存在しています。「子どもの権利」を「聞いたことがない」という人も多く、啓発・普及が必要です。

こういった現状に対して、ACEは「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」というネットワークの結成を呼びかけ、その事務局として、啓発や政策提言などを行ってきました。

ついに今年4月に「こども基本法」が施行ましたが、それがゴールではありません。おとなも子どもも子どもの権利を理解できるよう、「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」としてもACEとしても、子どもの権利に関する普及啓発活動などをこれからも進めていきます。

 

児童労働をなくすために、あなたにできるアクション

児童労働と私たちはつながっています。つながっているからこそ、私たちにもできることがあります。

イベントでは「3つのアクション」として以下をご案内しました。

ACEのクラウドファンディングを応援する (6/2〜7/31)

ACEの活動は、みなさまからの寄付で支えられています。2023年7月31日までの期間、活動資金全般を募るためのクラウドファンディングを実施しています。ご寄付や情報拡散でのご協力をお願いします!

ACE SDGsプロジェクト2023 つかもう 児童労働のない未来を

https://readyfor.jp/projects/ACE_SDGs2023
挑戦期間:2023年6月2日(金) 〜 2023年7月31日(月) 23時まで
目標金額:15,000,000円
目標支援者数:1,000人

寄付する

「ストップ!児童労働キャンペーン」に参加する(6/1~6/30)

ACEが事務局を務める「児童労働ネットワーク」では、毎年、児童労働反対世界デーを中心に「ストップ!児童労働キャンペーン」を行っています。

児童労働ネットワークのウェブサイトでは、おうちから簡単に参加できるアクションをご紹介しています。ぜひ、以下の2つのアクションに参加して、「児童労働にNO」の想いを、1人でも多くの人に広めてください!

ストップ!児童労働キャンペーン

3. 映画『The Price of Free』を観る

The Price of Free』は、ノーベル平和賞受賞者、カイラシュ・サティヤルティ氏がどのように子どもたちを児童労働から救出し、グローバルなムーブメントを起こしたかを追ったドキュメンタリー映画です。だれでもYouTubeで無料で視聴できます。

児童労働解決へあなたができるアクションの第一歩として、この機会にぜひこの映画をご覧いただき、あなたの周りの方々にも児童労働問題のことを広めてください!

 

そのほか、ACEのウェブサイトでは様々な「私たちにできるアクション」をご紹介していますので、参考になさってみてください。

私たちにできること

イベントの最後は、谷川俊太郎さんの詩「そのこ」の動画で締めくくりました。短い動画ですので、以下からぜひご覧ください。

参加者の感想

参加者の皆さんから、次のようなご感想が寄せられました。

・世界の10人に1人もの子どもが児童労働を知られているという現実を知り、今私が学校で学ぶことができるのは当たり前ではないと知ることができました。一人でも多くの子どもたちが児童労働から解放されることを願い、今の私にできることを精一杯したいと感じました。

・児童労働解決への取り組みや活動を具体的に、また、実際に児童労働をしていた人たちの話を聞くことができて、とても良い機会になりました。今、私たちが使用しているものには児童労働によって製造されたものが大多数あると思うので、フェアトレード商品などを購入してみたり、そのような商品でなくても大切に物を使用するべきだなと改めて実感しました。

・現地中継では子どもたちの楽しそうな顔が見られてとても幸せな気持ちになりました!

・ついつい日々の生活で忘れてしまうこと、改めて認識する機会を得てよかったです。

・こども権利クラブの成果の一端が見えたことで、権利を学ぶ意義を再確認できました。

・とても勉強になり、児童労働について知るきっかけになりました。まずは自分の周りに伝えるところからアクションを起こしていこうと思います。

・インドの様子が中継で見られて、日頃のACEの活動が現地の人々の生活に影響を与えているのが実感できました。また、日本国内でも児童労働による事故があったことを初めて知り、日本でも児童労働が根絶できていないことを認識しました。

ほか、たくさんのご感想をいただきました。ご参加いただき、誠にありがとうございました!

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2023.06.27