児童労働のない未来へ-NPO 法人ACE代表 岩附由香のブログ(single-blog)

児童労働

2006年2月8日

児童労働と経済発展

1月4日にブログへいただいた児童労働に関するコメントに対し、お返事したいと思います。
(※過去のブログに児童労働に対してコメントしてくださった方へのお返事投稿です)

児童労働と経済発展の関係性について

児童労働と経済は確かに関係しています。しかし、経済発展は児童労働がなくなる唯一の必要条件でも十分条件でもなく、他の要素とからみあって児童労働に影響を及ぼしていると考えています。例えば、インドのケララ州では、他の州と比べて経済発展を遂げているわけではありませんが、児童労働は少ないといわれています。インド全体でいえば、経済は発展しているのに児童労働の数は増えています。

その原因や関連性についての議論は様々あり、ここですべてを語れませんが、私は「経済が発展すれば児童労働がなくなる」と考えていません。

なぜなら、以前の日本や他の国がたどってきた経済発展とそれが社会にもたらした変化が、いまの途上国に同じものをもたらすとは思えないからです。逆に経済発展によって格差が国内でも広がり、富める人はますます富み、貧しい人はより貧しくなる構造が出来上がってしまうのではないかという危惧を持っています。

人権問題は豊かな経済があって初めて解決されるのではないか?

もうひとつのコメント、「人権問題は豊かな経済があって初めて解決される問題ではないか」という点についても、私は違う考えを持っています。

このコメントは「貧しい人は国が発展するまで権利がなくてもしょうがない」と読み替えることもできます。

人権とは、どんな経済状況に国があったとしても、すべての人に保障されなければならないといくつもの国際文書でうたわれていますし、そうなるように活動しているのが国連やNGOであり、その活動を支えている世界中の市民でもあります。

したがって、私もACEも、Masayukiさんの書かれたなげかけとは違う前提で、活動をしていることを、お伝えしたいと思います。

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