児童労働のない未来へ-NPO 法人ACE代表 岩附由香のブログ(single-blog)

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2014年10月16日

ノーベル平和賞を受賞したカイラシュさんから教わったこと-児童労働がなくならないのは「意志」が足りないから-

昨晩は、2014年のノーベル平和賞が発表になってから初めての講演でした。講演の最後にご支援をお願いしたのですが、ちょっと言い足りなかったな、と感じたのでブログにも書いておこうと思います。

1010日の夜から昨日まで、ノーベル平和賞を受賞したカイラシュ・サティヤルティさんに関する取材をTV、新聞各社から受ける中で思い出したのが、1998年の「児童労働に反対するグローバルマーチ」が実施された時にカイラシュさんが語った言葉です。

正確には

 「児童労働がなくならないのは貧困が理由ではない。

  政治的意志が足りないから、児童労働がなくならないのだ」

 

英語では、“Lack of political will”とおっしゃってました。

私は、カイラシュさんのこの言葉に、すごく納得しました。

1998年、インドで実施された「グローバルマーチ」に参加しているノーベル平和賞を受賞したカイラシュ・サティヤルティさん(中央)と、ACE代表 岩附由香(左後方)
1998年、インドで実施された「児童労働に反対するグローバルマーチ」に参加した
カイラシュ・サティヤルティさん(中央)と、ACE代表 岩附由香(後列左から4人目)

 

もちろん、児童労働と貧困問題は双方ともに原因と結果になる密接な関係があります。しかし、そこであえて「貧困が理由ではないのだ」とカイラシュさんが言いきった背景には、子どもの権利の問題があまりにも後回しにされ、自分には関係ない問題だと思われている現状がありました。

 

例えば、「世界の軍事費の4日分さえあれば、世界中の子どもが教育を受ける資金を捻出することが出来る」と言われています。足りないのはお金ではなく、「子どもの教育にお金を使おう」という意志です。

それと同じことが、個人のレベルでも言えると思います。児童労働の問題は、このグローバル化の時代、私たちの身の回りのものがどう製造されているか、原材料までたどると児童労働が関わる可能性が高いものが多くあります。カカオ、コットンだけでなく、例えば携帯電話に使うレアメタルのコルタンは、コンゴ民主共和国で子どもたちが採掘に関わっていること、またその取引による資金が紛争に加担していることが問題視されています。そういう意味で、私たち誰もが、児童労働とは無関係ではいられないのです。

 
 「自分は関係ない」

 「誰かが問題を解決してくれる」

 「自分が支援しなくても、誰かが支援するだろう」

 

そう思われてしまっては、児童労働問題は解決しません。

 

 「これは自分の問題でもある」

 「児童労働をなくすために、自分に出来ることは何だろう」

 「自分が動くことで、世界を変えらえる」

 

私の話を聞いてもらった人に、そう思ってもらい、その人の気持ちを支援や協力というアクションにうつしてもらい、ACEと共に行動してもらうことを、実現したいのです。

 

実際、私がカイラシュさんの呼びかけに応じて「児童労働に反対するグローバルマーチ」を日本でも開催したいと思ったことが、ACEを立ち上げるきっかけとなりました。立ち上げたのは、既存の団体がどこも、グローバルマーチを日本でやる気がなかったからです。自分がやらなくては、児童労働を知らせるこんなにいいチャンスを逃してしまう。そう思って、一晩寝ないで趣意書を書いたのが、ACE誕生のきっかけです。

 

児童労働は人ごとではない。児童労働は、自分が参加して解決を進めることができる問題なのだ。

 

1997年のあの日、当時ただの学生で何の力もない22歳の若者だった私が、それでも一歩を踏み出したことで、信じられない人数の方々が、共感してくれ、支援をいただき、なんとかACEの活動を続けてくることができました。た。

ACEでは、インドとガーナで実施している児童労働から子どもを守るプロジェクトで救える子どもの人数を増やすために、支援対象地を拡大しています。現地の物価上昇や円安もあいまってプロジェクト費が1千万円近く増えていますが、まだ必要な寄付が集まっていません。

 

私たちは本当に、あなたの支援を必要としています。

児童労働をなくしたい、というあなたの意志表示を、ぜひ一歩を踏み出してください。
私たちとともに、児童労働のない未来を実現させましょう。ぜひご協力をよろしくお願いします!

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