2005年12月5日
子どもを児童労働から救うカイラシュさんの原動力
ACE設立記念シンポジウムが終了しました。ボランティアスタッフを含め約120人以上の参加者を前に、カイラシュさん(SACCS/BBA)、オムくん(元児童労働者)、マニシュさん(リハビリ テーションセンターマネージャー)、代田七瀬さん(大学生:児童労働世界子ども会議日本代表)が自分の経験や活動について語ってくれました。
パネルディスカッションで参加者から「カイラシュさんの活動を続ける原動力はどこから?」という投げかけをカイラシュさんにしたら、以下のようなことを話してくださいました。
ハートに火がついたシンポジウム
カイラシュさんは昨年7月に子どもたちをサーカス団から救出しようとして襲撃され怪我を負い、またそれでも子どもたちが救出されなかったためハンガーストライキを5日間行ったり、またおなじ活動をしていた同僚2人を過去に亡くすなど、言葉ではいいつくせない苦難がありつつも活動を続けています。
「自分がこのような活動をしていなかったら何をしているか、思いつきません。元々は電気のエンジニアでしたが、社会の変革を行うべきだと思ったんです。今日私たちははじめて出会って、今後も直接また会うことがあるかはわかりません。それでも、みなさんのお顔、目をみれば、みなさんの中に何かが起きたことがわかります。みなさんの心に灯がともったということがわかるのです。そのようなみなさんから私は活動を続ける大きな勇気を与えられます。
私は人間の持っている力を信じています。そしてそれはどの人にも同じようにあると思っています。私が特別なわけではありません。みなおなじなのです。みなが人間愛を持って行動することができるのです。誰も特別ではありません。あとはどうあなたの中の火をつけるか、ということです。 そしてもし私がそれをすることができたなら、私は自分自身を止めることはできません。
例えば自分の子どもが屋根から危機に陥っていれば、みなさん無意識に助けるでしょう。いつ助けようと計画したりしませんよね。わたしにとって世界の子どもたちは自分の子どもとおなじで、その子達が奴隷化され、性的虐待を受けているときに、黙って座っていることはできないのです。私の中に平和は訪れません。
それとおなじで、性的虐待、奴隷などで苦しんでいる子どもがいたら何もしないわけにはいかないのです。私は政治家でもなく、NGOワーカーでさえないと思っています。なぜなら人生のミッションとしてこのような活動を考えているからです。
今日2-3時間お話させていただいただけで、多くのことが変わったのではないかと思います。ここにいるみなさんが、今後活動に参加し、日本でも変化がおきていくことを感じています。これはもう止められません。今回日本に来て、私がスピーチをさせていただきましたが、それだけではないのです。今回みなさんの心に火をともすことをしにきたのです。それが今回できたと思います。ありがとうございました。」