2009年3月14日
アメリカン・エキスプレス・アカデミーに参加
アメリカン・エキスプレス・アカデミーという「NPOリーダーのためのリーダーシップ養成プログラム」に参加してきました。
一橋大学イノベーション研究センター長の米倉誠一郎さんがプロデュースし、社団法人日本フィランソロピー協会が主催、アメリカン・エキスプレス財団が共催したプログラムです。二泊三日のプログラムを終えて帰宅した直後、興奮さめやらないままブログを書いています。
リーダーシッププログラムで学んだ3つのこと
あげれば切りが無いが、プログラムの中で感動したことが3つあります。
- 一流の経営者・ビジネスパーソンの話を生で聞き、かつインタラクトして態度・スタイル・プロ意識に触れられたこと
- 最も欲していたビジネス思考や営業ステップについて咀嚼しきれない程のインプットを短時間で受けられたこと
- アウトプットとしてのグループプレゼンコンペで、リーダーを務めたYY5(わいわいふぁいぶ)が最優秀賞をいただいたこと
感動1 ビジネスの第一線で活躍されている一流の講師からの学び
これまで、様々な研修を受けてきましたたが、今回は「一流」に触れられたことが本当に貴重な経験となりました。
講師は、米倉先生のほかにファシリテートをして下さった教育と探求社の宮地勘司さん、オイシックス株式会社代表取締役社長の高島宏平さん、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル Inc.(日本)社長のロバート・サイデルさん、株式会社ベネッセコーポレーション代表取締役会長兼CEO福武總一郎さん、特定非営利活動法人フローレンスの創設者/代表理事の駒崎弘樹さん、株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ ジェネラルマネージャーの藤原泰輔さん、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル Inc.(日本)の副社長、個人事業部門新規カード営業/企画の山中秀樹さんなど、そうそうたる顔ぶれでした。
この人たちの話を三日間で聞いたことがある人なんて、きっと今まで1人もいないでしょう。ひとりひとりに会いに行っり、講演を聞きにいこうと思ったら大変な時間とコストがかかります。それが、あちらから来てくださるのです。このアメリカン・エキスプレス・アカデミーに第一期生として参加できたことは、本当にラッキーだったと思います。
こうして名前を並べてみて今初めて気付きましたが、講師全員が男性でした。講師に女性がいないということが、少し気になるところです。NPO業界は女性が多いので、女性のロールモデルも必要なはず。そういう意味では、今回三日間の研修にずっとおつきあいいただいたアメリカン・エキスプレス・インターナショナル Inc.(日本)の広報室室長のエディ操さんや、日本フィランソロピー協会の理事長高橋さん、同協会の加勢川さんがNPO業界における女性のロールモデルとなりうるのかもしれません。
感動2 ビジネスにおけるフレームワークの洪水のようなインプット
ロジカルシンキングの基本「MECE」やSWOT分析のような”使ったことはあるが事業にどう活かせばいいのかよくわからないもの”をはじめ、3C(Customer・Competitor・Company)などなんとなくく知っているもの、Five Forcesや3WHYなど新しく知ったものを含めて、ビジネスの思考のフレームワークについて、インタラクティブに確認し、自分の傾向を知ることできました。
今回学んだフレームワークのいくつかは、私の愛用している勝間和代さんプロデュースの手帳に書いてあるもので、手帳に書き込み、今後すぐ参照できるようにしときました。
また、山中さんの営業についての話は、まさに私が知りたいことどんぴしゃりでした!これもフレームワークですが、営業活動は本で学ぼうとしても難しさを感じていたところだったので。山中さんが研修参加者に問いかけながら講義を進めて下さったおかげで、すごくよく分かりました。これはAMEX社内でも行われている研修だそうです。
「知っている」、「わかっている」と思っても「できる」とは別。今後「できる」といえるようになるまでトライ&エラーを続けていきたいと思います。
少し話しがそれますが、1日目の懇親会で米倉先生に「おまえはのりしろが小さい」と言われました。この一言が、研修の中でも大きかったと思います。
すでに自分の中に出来上がっているフレームワークに当てはめて考えてしまう傾向があって、相手のフレームワークを理解していない。それでは研修に参加している意味がないし、新しいものが生まれない。それではのりしろ(伸びる量)が小さくなるんだぞ、と言われました。
米倉先生とはお会いしたのは研修が初めて。それなのに、初めて会ったその日に「のりしろが小さい」なんてことを言われてとてもビックリしたし、最初はよく意味がわかりませんでした。でも、この一言がきっかけとなり、とにかく相手のフレームワークで考えることを意識して研修に望むようになったのでした。
その心がけがあったからか、三日間の研修の最後の最後に、米倉先生から「おまえ、のりしろあったな」と言ってもらえました。ちなみに同じグループだったイッチーも、私が1日目と変わっていく様子を見てくれていて「おもしろかった」そうです(笑)。イッチーは中央政府の官僚ですが、官僚らしからぬ単刀直入かつ的確な発言だけでなく、その観察眼に舌を巻きました。
感動3 チームワークが結果につながった
「強い個人がいなくて、どうやってチームで結果を出せるのですか?」
これは、米倉先生の講義の中で紹介した、カルロス・ゴーン氏の一言です。
日本人はチームワークと強い個人は、対立軸にあるものと考えがちですが、実はそうではない。私は今回身をもってそれを感じました。チームワークとは、誰かが出来ない分をかばうということではない。それぞれの持っている力を全力で出し合ったシナジーが、チームワークなのだと。
今回の研修のアウトプットとして、特定あるいは非特定の企業に大して、NPOとして提案書をプレゼンするという課題が与えられました。講義内容が豪華だったため、プレゼンの準備をする時間が実質二時間ぐらいしかありませんでした(笑)。そのため、プレゼン前日の夜中の三時までグループの5人と一緒に話し合いをしてプレゼンを作りました。
メンバーのひょうひょうは、「企業にとってどういうメリットになるのか」というロジックと、提案相手の企業の情報をテキパキと集めてくれた。
のりちゃんは、洗練された美意識で上品でセンスの良いプレゼン資料としてくれた。
イッチーは一番大事なパートのロジックをわかりやすく作ってくれた。
三時に解散した後も、サブリーダーのボーグが寝ないでパワーポイントを綺麗にしてくれたおかげで、用意したコンテンツがかなりいい感じにしあがりました。
私はといえば、唐突に思いついたアイディアを出したり、人文字でYY5を作ろうといってみたり、キャッチフレーズを考えたり、ふらふらとみんなの作業を見守っていました。※見守っていたと思っていたけど、みんなからは「教室内をくまなく歩き回る授業中の米倉先生のようだ」と言われました。
リーダーに必要なこと
本当に時間が限られていたため、私のリーダーとしての役割は、「今日はここまではやろう!」というゴールを設定し、同時進行で作業を進めないと間に合わないたいめ個々の特性を見て仕事を割り振り、割り振った仕事がうまく組み合わさるよう段取りすることだったと思います。
このチームで考えた企画内容は、高い評価を受けました。この企画は5人で話し合ったからこそ出てきたものです。ゲームを使った社会貢献は、ずっとアイディアとして持っていましたが、具体的に計画を作ったり考えたりするところまではやったことがありませんでした。それが、バックグラウンドの全く異なる5人が集り、アイディアが組み合わさり、昇華して、今回の企画となっていきました。
ちなみに、企画を評価してくれたのは、前述のエディさんや高橋さんに加え、NECのCSR推進本部社会貢献室長の東富彦さん、日本経済新聞社の原田さんでした。東さんには「このアイディアいいね!もらってもいい!?」という最高のほめ言葉をいただき、原田さんからは「どこに行ってもいるねぇ(行く先々で会うねぇ、という意)」と言われた。
リーダーシップの瞬発力と持久力
実は表彰式の最中、自分たちのグループがずっと呼ばれなかったでの、プレゼンの結果がビリになってしまったと思っていました。「こんなにみんなをがんばらせたのにビリになってどうしよう」と思い、顔がずっと引きつっていました。
でも、みんなの顔を見たら、あれ?と気付き、最後に呼ばれたところが最優秀賞であることに気が付きました。そんな勘違いをしてしまったのも、昨年参加したプレゼンコンペで勝てなかったことがちょっとトラウマになっていたからだったのだと思います。プレゼンで最優秀賞をもらったとき、思わず嬉し泣きしてしまい、米倉先生もつられて涙を流してくれました。
研修から帰ってからふと思いました。
果たして、今回の研修でのリーダーシップを私はACEで発揮しているだろうかと。
外でがんばって評価を受けても、自分の団体で出来ていなければ、それは本物じゃない。単なる瞬発力です。でも、リーダーシップを瞬発力から持久力に変えるのは、そんなに容易いことではないような気もします。
これだけいい研修を受けさせていただき、感謝の言葉が尽きません。研修で学んだことを身に付け、社会を変えるために活かすことが、この研修の実現を支えて下さったみなさまに何より喜んでいただけるのではないかと思います。
明日からではなく、今日から、トライ&エラーを積み重ねよう。
私が今日ここに書いた決意を実行していなかったら、注意してくださいね、みなさん♪