【インド便り】「子どもを学校に通わせるために、このお店を一生懸命経営したい」収入向上支援を実施しました!
みなさん、こんにちは!インド・プロジェクトマネージャーの森です。いつもACEの活動への温かいご支援をいただき、ありがとうございます。
ACEは、インド・テランガナ州のコットン生産がさかんな農村地域で、現地パートナー団体SPEEDとともに、児童労働から子どもを守り教育を支援する「ピース・インド プロジェクト」を行っています。
今回のインド便りでは、子どもたちの就学状況と、子どもたちが学校へ行けるように支援する取り組みのひとつ、親の経済基盤を安定させる「収入向上支援」の様子をお届けしたいと思います。
子どもたちが学校に戻って来ています
前回のインド便りでは、プロジェクト実施地で公立・私立学校に通う子どもたち1,364人のうち、100人の子どもが定期的に学校に通っていないことをお伝えしました。
学校に通っていないと特定された子どもの数は、100人から8月15日時点で5人まで減りました。この5人は私立学校に通う子どもで、公立学校よりも高い授業料などを親が払えなくなってしまったために子どもが通い続けることができなくなり、残念ながらときどき畑で働いている様子が確認されています。プロジェクト開始当初には困窮世帯として特定されていなかった家庭の子どもたちで、新型コロナウイルス感染症の影響で親が失業し、家計状況が悪くなったことが要因のひとつです。
プロジェクト実施地では日雇い労働者や出稼ぎ労働者が多く、感染症の蔓延や天候の変化などの外部要因によって、親の失業リスクがとても大きくなります。子どもが継続して学校に行けるようになるためには、親の収入による家計の安定が不可欠です。
困窮世帯への自立支援を形に
私たちは、特に経済的に困窮している世帯に対し、家畜の貸与や小規模ビジネスへの融資を通して「収入向上支援」を行っています。これは、「子どもを学校に通わせること」と、「家畜やビジネスを通じて得た収入で、融資した費用(貸与した家畜の購入費用など)を無利子で返済すること」を条件としています。
家計の安定を図ることによって、子どもの労働に頼らず、子どもが学校に通い教育を受ける機会を得ることができるとともに、返済計画を通して、親の家計のやりくりへの理解も促す取り組みです。
新型コロナウイルス感染症拡大によってしばらく実施することができなかった収入向上支援ですが、3月から6月にかけて、ついに困窮した15世帯に対する家畜の貸与や小規模ビジネス支援を行うことができました!
今回の支援は、水牛 4世帯、牛 6世帯、羊 3世帯、小商店 2世帯です。
小商店のビジネス支援を受けたアディティさん(仮名)は、SPEEDスタッフに対して、
「新型コロナウイルス感染症拡大の影響で仕事をすることができず、生活にも制限があったので不安な状態が続いていた。子どもを学校に通わせ続けたいので、このお店を一生懸命経営したい。」と話してくれたそうです。
これから、子どもを学校に通わせながら、計画的にやりくりするアディティさんの様子を見守りたいと思います!
公立学校への入学・編入をサポート
最後に、現地から届いた嬉しいニュースをお伝えさせてください。
この夏、プロジェクトで運営するブリッジスクール(公立学校への就学を支援するための補習学校)に通う子どものうち、21人が公立学校への就学試験に合格し、7月から公立学校への編入を許可されました!
また、6月には、労働していることが確認されていた子ども21人が、公立学校へ直接入学することができました。
プロジェクト実施地の3村では、住民とともに地道に続けてきた意識向上の啓発活動が実を結んできています。さまざまな活動を通して教育の重要性や子どもの権利を伝えてきた成果だと感じています。
私たちは、子どもたちや現地の人の声に寄り添いながら、これからもSPEEDとともに活動を続けていきます。
引き続きの応援をどうぞよろしくお願いいたします!
インド・プロジェクト マネージャー 森
インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!
- カテゴリー:報告
- 投稿日:2022.08.25