2021年5月28日
働き方最先端?
私が代表を務めるNPO法人「ACE」は現在、十六人の全職員が在宅勤務をしている。コロナ以前も在宅勤務制度はあり、データなどはオンラインで自宅からもアクセス可能だったが、二〇二〇年七月に、完全に事務所を手放した。対面での関係先への訪問も一部あるが、ほとんどはオンラインで済む。会議室を借りてスタッフで集まる時もあるが、基本はすべて自宅か、サテライトオフィスからオンラインで業務をしている。
完全フレックスタイムのため、午前五時から午後十時の間、好きな時間に働けばよい。始業時に、社内のオンライン連絡ツールに、その日の体調や勤務時間、業務予定を送り、終了時に報告を書く。「今朝は保育園に子どもがなかなか行ってくれなくて」と書けば、「分かります」と、他のスタッフが応える。そんな雑談的なやりとりもそこでできる。
在宅勤務で何より感じる変化は時間の使い方だ。通勤時間がないので、直前まで家事をして、すぐ会議に入れる。子どもが学校から帰ってきたときに「お帰り」と迎えられる。一時間単位で有給休暇も取れるので、保護者会のために、丸一日、休まなくて済む。打ち合わせも、移動時間がないから、以前より多く入れられる。コロナ禍の収束を願うが、働き方は正直、もう以前に戻れる気がしない。
NPO「ACE」代表 岩附 由香
(2021年5月25日の東京新聞・中日新聞夕刊コラム「紙つぶて」に掲載)