2016年6月10日
今必要なのは、世界的な児童労働に関する世論喚起かもしれない
6月12日は児童労働反対世界デー。
実はこの日は、1999年に国際労働機関(ILO)で「最悪の形態の児童労働条約」という新しい児童労働の条約が出来た日なんです。
この条約が出来たことで、児童労働に関する政府の態度が一気に変わり、「隠す」のではなく「あることを認めて、取り組む」ようになりました。
そこまで持っていったのは、5月に来日したカイラシュさんがリードをとって「児童労働
に反対するグローバルマーチ」が98年に世界100か国以上でマーチを行い、世論を喚起し、
多くの人の心と行動を動かしたことが大きかったと思います。
この6か月間のマーチの終着点が、条約を議論しているILOの本部ジュネーブ
でした。私も実際にそこで、条約をどのようなものにするべきかの議論を聞く機会に
恵まれ、また次の年に実際に条約が加盟国の満場一致で採択されると、一気にその条約
を守りますと各国の批准が広がっていき、世界的な関心の高まりがあったことが思い
返されます。
いま、児童労働問題の解決に必要なことのひとつは、そのような「世界的な関心の高まり」
ではないかと、私は思います。
End all forms of child labour by 2025(2025年までにすべての児童労働を終わらせる)
この文言が、国連「持続可能な開発目標」に入り、世界共通のゴールとなりました。
しかしそれを達成するための世論、意識の盛り上がりが欠けているのが現状です。
だから、6月12日の児童労働反対世界デーは、一人でも多くの人が、世界1億6800万人の
児童労働者のことを考える日にしたい。
その解決のために、少しでも動いてくれる人が、1人でも増えたらいい。
そんな想いで、クラウドファンディングを立ち上げました。
クラウドファンディングとは、インターネット上で寄付をつのる方法で、
今回は目標額300万円と設定しています。
みなさまがジャパンギビングのサイトに登録し、クレジットカードで決済を
していただくのですが、そのよういご寄付を申し出てくださった方の合計額
が6月30日までに300万円を超えない限り、クレジット決済はなされず、
ACEに寄付も1銭も入って来ない、という100か0かの仕組みです。
この寄付に「ギフト」と呼ばれる特典を付けているのですが、今回
3000円~50万円の「ギフト」を用意しています。寄付をすると、このギフトを
受け取ることができますが、これも、6月30日の時点でご寄付をしてもいいという
方々の金額が300万円を超えていないと、発生しません。
6月10日の毎日新聞朝刊の「ひと」欄に、カイラシュ・サティヤルティさんがとりあげら
れ、ACE代表として私もご紹介いただきました。
もしそれを見てACEのウェブサイトに来てくださった方がいたら、6月末までのこのクラウ
ドファンディングにぜひご協力いただけましたら幸いです。
この問題の解決にはまだまだ時間がかかります。
ACEの活動を継続的にご支援いただいてもいい、と考えてくださった方は、ぜひ、
マンスリーサポーターになっていただけたら、ありがたいです。
詳しくは、http://acejapan.real-creation.com/sonoko をご覧ください。
私たちが、インド・ガーナでどのように子どもたちの生活を変えてきたのか。
児童労働とはどういう状態で働いていたのか。これまで支援してきた子どもたちのストー
リーもウェブページに掲載しています。こちらもぜひ、ご覧ください。
ぜひご協力を、よろしくお願いします。
岩附由香